こころに残る映画

ツタヤには本当にお世話になっている。渋谷のツタヤが近いので、渋谷へ。


誰も知らない

ずーっと観たかった。今さっき見終わった。
貧乏ではない。貧しい、いや、ひもじい、のだ。
我が家は、これほどまでにひもじくはなかったが、小さい頃の私の家庭を思い出した。食べるもの、好きなものが食べれない。なにか、明日に不安を抱えて生きていた。未来に希望なんてない。その日、ふとした瞬間に見上げた空に、飛行機。ああ、そんな瞬間が、生きていることを思い出させてくれた。

遠足が嫌いだった。お弁当が嫌いだった。給食費が払えない時、学校に行きたくなくなった。生きることそのものに対する不安と、生活の中でのさまざまな出来事に対する不安とでは、不安の性質が違うと思う。

僕の家庭は、僕が生まれてこのかた、貯蓄が一円もない。この状態が24年間続いている。無駄遣いがないわけじゃない。それにしても、24年間、毎月、給料日から給料日へ、綱渡りのような生活。精神的に余裕がない。いつも、「お金がない」と思っている。長い間の刷り込み、お金はないもの、という意識が強い。

あれもしたいこれもしたい、ことが、お金を理由に目の前を通り過ぎていく。そのうち、最初から望まなくなった。あれもこれも、もうどうでもいい、興味がない、必要ない、どうせ買えない、手に入ったとしても、どうせつまらないものだ、と思ってしまっている。

幸せにはなれない、と強く思ってしまっている。いかに耐えるか、いかに、つまらない日常を緩和するか、そのことに必死で、必死だけれども、おづすることもできずにいる。

「誰も知らない」そう、誰も知らないのだ。ひっそりと、このまま、人知れず、生きていくのだ。ただ、生きているだけなのだ。


ディープ・ブルー スペシャル・エディション
素晴らしい。生命の神秘。下手にこねくり回したフィクションを見るより、地球にはまだまだたくさん、神秘が隠されている。この作者、この第二団作るのでは?

この週末は3連休、自分に向かい合う。明日明後日は友人と食事にいくけど。