その向こうに

予備校時代に、今でも連絡を取り合っている親友のI藤と賭けをした。
「50歳までに先に火星に行って旗立てたほうが勝ちな!」

互いに本気だった。

I藤は現在京都大学で地球物理学、特に火山、海洋ときて、台風の研究をしている。昨年一年間ハワイの大学で海洋と気象の勉強をしてきた。

つい最近、京都大学の大学院に受かって、院生になった。

なるほど、I藤のアプローチはアカデミックに攻めて、乗組員としていくか、もしくは、将来現地の調査団ができたときに、大義名分引っさげて行くプランなのかもしれない。

私はどうやら「ホリエモンプラン」で行くしかない。
1000億円あれば、自前で買えるんじゃないだろうか?
火星は気温がマイナス53度くらいなので、防寒しっかりして、酸素を吸入できるようにして、重力が地球の3分の1なので、カルシウム欠乏対策になりがち、しっかり運動して対策、あ、酸素は、たしか95%が二酸化炭素なのでそこから酸素作れるなあ、気圧がたしかうんと低いので、その対策だけしたらいい(これは簡単。圧力室があればいい。)。

うーん、あとは到達にかかる時間だけだな。